ナマスカール🙏
点描・砂絵人の鈴木伸明です。
今日はちょっと変わったテーマで、あなたと一緒に「美の歴史の旅」をしてみたいと思います。
「イスラムの幾何学模様って、実はルネサンスや現代のデザインにも影響を与えているんですよ」
と言われたら、あなたはどう感じますか?
ちょっと意外で、興味が湧いてきませんか?
Contents
幾何学は「宗教的な美」のかたち
イスラム世界では偶像崇拝が禁じられているため、人物や動物を描く代わりに、
無限に連なるパターン=幾何学模様やアラベスクが発展してきました。
その複雑さ、美しさはただの装飾ではありません。
「無限」「宇宙」「神の完全性」を感じさせる、深い精神性を内包しているのです。
まさにマンダラやヤントラのように、祈りや瞑想の道具でもあったんですね。
幾何学という一見「冷たい」印象のある形が、実はスピリチュアルな深みを持っている…。
そう思うと、あなたのアートの見方も変わってくるのではないでしょうか?
イスラムの知が西洋に渡った瞬間
ここで少し歴史の話をしてみたいと思います。
イスラム黄金時代(8世紀~13世紀)、バグダッドやアンダルス(現在のスペイン)では、
天文学・数学・哲学などが驚くほど発展していました。
その中には、古代ギリシャの学問やインドの数字文化も含まれていて…
それらが、アラビア語に訳され、やがてヨーロッパへと流れていくのです。
特に、幾何学と美の関係を重視したアラビアの思想家たちの知識は、
ルネサンス期のレオナルド・ダ・ヴィンチやアルブレヒト・デューラーといった
芸術家・科学者たちに多大な影響を与えたと言われています。
つまり、西洋の「黄金比」や「遠近法」も、実はイスラムの幾何学美からの贈り物だったのかもしれません。
ルネサンス美術にひそむ「イスラム模様」
実は、あの有名なアルハンブラ宮殿(スペイン)は、ヨーロッパで最も有名なイスラム建築の一つ。
その美しい幾何学模様は、16世紀以降、ルネサンス芸術家たちにも模倣され、
版画や建築装飾として取り入れられていきます。
イスラムの模様は「数学的な美しさ」を通して、感覚と理性を刺激しました。
そしてそれが、ダ・ヴィンチたちの描く人体比率や幾何学的構図の研究へとつながっていったのです。
あなたは、マンダラを描いている時に「この図形、何か古代の叡智とつながってるような気がする…」
なんて感じたこと、ありませんか?
それ、あながち気のせいじゃないのかもしれませんね。
そして、現代デザインへ
イスラム幾何学は今でもアートやデザインの世界に大きな影響を与えています。
例えば、オランダの画家モーリッツ・エッシャーの作品や、
パラメトリックデザインと呼ばれる現代建築の複雑な形も、イスラムのパターンに通じるものがあります。
実際に、アメリカのMITなどの研究機関でも、
イスラム幾何学の数学的構造がデザイン思考に応用されています。
また、GoogleやAppleのような企業のロゴやUIデザインにも、
知らず知らずのうちにこうした幾何学的構成が使われていることがあります。
あなたのスマホの中にも、イスラム幾何学のDNAがひっそりと息づいているかもしれません。
私たちのマンダラにも息づく「美の遺産」
点描マンダラや塗り絵マンダラを制作していると、
ふと「これは祈りのかたちかもしれないな」と思うことがあります。
ヤントラのように、マンダラの中心に向かって集中していくことで、
心が静まり、世界とのつながりを感じられる…。
そんな時、私たちもまた、幾何学を通して「普遍の美」に触れているのかもしれませんね。
イスラム幾何学、ルネサンスの美術、そして現代のあなたのアート。
すべてがどこかで繋がっていて、深いところで共鳴している…
そう考えると、ちょっとワクワクしませんか?
最後に
いかがでしたか?
イスラムの幾何学模様が、ルネサンスや現代デザインにまでつながっているなんて、驚きですよね。
あなたが今日描くマンダラアートにも、そんな遥かなる歴史が流れているかもしれません。
ぜひ、そんな想いを込めて、次の一筆を描いてみてください。
ステキな幾何学アート・ライフを~✨
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