幾何学が語る宇宙の真理:イスラム美術に宿る精神的象徴とは

幾何学が語る宇宙の真理:イスラム美術に宿る精神的象徴とは

ナマスカール🙏
点描・砂絵人の鈴木伸明です。

あなたはイスラム幾何学模様をご覧になったことがありますか?
モスクやタイル、織物、書物の装飾など、どこか吸い込まれるような美しさに
「これはいったい何を意味しているのだろう?」
と感じたことはないでしょうか。

今回は、そんなイスラム幾何学模様が持つ象徴的な意味と、
私たちの内なる世界=精神との関係について、少し掘り下げてみたいと思います。

 

Contents

幾何学模様は「神の秩序」を示すもの?

イスラムの芸術において、偶像の描写が制限されていることはご存知の方も多いと思います。
だからこそ、言葉(書道=カリグラフィー)や、植物模様、そして幾何学模様が
非常に高度に発展してきました。

特に幾何学模様は、「タウヒード(一神教)」の精神を表現すると言われています。
形には意味があり、そこには宇宙の法則や、神の秩序が美しいバランスとして現れているのです。
円、三角形、六角形、八角形、星型
そのどれもがただの装飾ではなく、
「無限の中にある秩序」や「多様性の中の統一性」を語っています。

たとえば「円」は、中心から全方向へ等しい距離に広がるカタチ。
これは「神の完全性」「永遠性」「宇宙の根源」を象徴しています。
あなたは、そんな円を描くとき、どんな気持ちになりますか? 

形は、心の波を整えるチューニング装置なのかもしれませんね。

模様の重なりが語る「多層の世界」

イスラム幾何学では、いくつもの形が繰り返し、重なり合いながら
全体として一つの調和を持った図柄を形成します。
これは、「現実世界と霊的世界の重なり」を表しているとされます。 

つまり、私たちが生きているこの物質の世界(時間・空間)と、
その背後にある見えない精神世界(魂や神の領域)が
まるで重ねられた幾何学の層のように、連なっているという考え方です。
その重なりに気づくことこそ、「目覚め」や「気づき」へとつながっていくのですね。

「幾何学模様ってただのデザインでしょ?」
と思われる方もいるかもしれませんが、
そこに込められた意味を知ると、一つひとつのカタチが語りかけてくるような気がしませんか?

中心へ向かう形と、瞑想の深まり

イスラム幾何学の多くは、中心点から放射状に広がる構造をしています。
これは曼荼羅の構造ともとても似ていて、 「外側から内側へ意識を向ける」ことで、
内なる自己とつながる瞑想のプロセスと重なります。

中心とは何でしょうか?

あなたの中にある「本質」や「魂の核」とも言える場所。
喧騒や混乱から離れて、静かに自分の内側に戻っていくようなプロセス。
このような深まりの道を、形がそっと案内してくれるのです。

私も曼荼羅を描いている時、 「気づいたら1時間が経っていた」なんてことがよくあります。
それは、形に集中することで、自然と瞑想状態に入っていたからかもしれません。

無限のリピートが示す「終わりなき神の美」

イスラム幾何学の大きな特徴に「タイル模様のような反復」があります。
この繰り返しのパターンは、物質世界の枠を超えて、
「神の無限性」「永遠の存在」を象徴しています。

数学的にも精緻に計算されていて、そこに美と科学、信仰が溶け合っています。
私はこの点がとても魅力的に感じます。
神秘的でありながら、合理的。
形は感覚に訴えながらも、知性の喜びをも刺激してくれる。

イスラム幾何学を見つめることは、
まるで宇宙を見つめるような体験なんですね。

形が心を整える――あなたも描いてみませんか?

ここまで、イスラム幾何学模様の意味についてお話してきましたが、
実際に描いたり、なぞったり、塗ってみることで、
「自分の内側が整っていく」ような感覚を味わうことができます。

道具も、特別なものは要りません。
紙とペン、そして少しの時間と静けさがあれば、はじめられます。

あなたも一度、幾何学模様の中に身を委ねてみてはいかがでしょうか?
そこには、言葉を超えた癒しと気づきが、静かにあなたを待っているかもしれませんよ。
あなたが心豊かに過ごせますように。 

ステキ・楽しく・ハッピーな幾何学アート・ライフを~

幾何学が語る宇宙の真理:イスラム美術に宿る精神的象徴とは

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