ナマスカール🙏
点描・砂絵人の鈴木伸明です。
あなたはイスラム建築を目の前にしたことがありますか?
その場に立つと、まるで宇宙のリズムに包まれるような…
そんな静かな感動に包まれます。
今回は、アルハンブラ宮殿やタージ・マハル、
そして数々のモスクに見られる幾何学模様の美しさについてお話ししたいと思います。
Contents
幾何学模様はただの飾りではなかった?
イスラム建築の最大の特徴のひとつが、
緻密で規則正しい幾何学模様(ジオメトリック・パターン)。
それはただの装飾ではなく、
「神の完璧さ」や「宇宙の秩序」を象徴しているとされてきました。
イスラム教では偶像崇拝が禁じられているため、
人間や動物の姿をアートに描くことは避けられてきました。
その代わり、数学的に計算された美しさ――
直線、円、星形、アラベスクなどを巧みに組み合わせたデザインが建築の随所にあらわれます。
そう思うと、あの模様一つひとつに「意味」があるような気がしてきませんか?
あなたなら、どんな模様に心惹かれますか?
アルハンブラ宮殿に見る、数学と美の融合
スペイン・グラナダにあるアルハンブラ宮殿は、
イスラム建築の幾何学模様を語るうえで外せない存在です。
ここでは17種類以上もの「壁紙型(タイルパターン)」が確認されていて、
それぞれが違った対称性を持ち、数学者の間でも研究対象になっているほど。
一見すると複雑に見える模様も、実は繰り返しと回転の法則にのっとってできているんです。
私は初めて写真でこの宮殿の天井を見たとき、思わず息を呑みました。
「これは…曼荼羅(マンダラ)にも通じる世界だ」と直感したのです。
まるで祈りを込めるかのように、細部まで美しく、緻密にデザインされています。
あなたも、模様の中に「規則と自由」が共存しているような、
不思議な安定感を感じたことはありませんか?
タージ・マハルに漂う神聖なシンメトリー
さて、インドのタージ・マハル。
世界遺産にもなっているこの建築は、
皇帝シャー・ジャハーンが亡き妻ムムターズ・マハルのために建てた壮麗な霊廟(れいびょう)です。
建物全体が左右対称であることが有名ですが、近づいてみると、
壁やドームに刻まれた植物の蔓(つる)模様や幾何学的な星形パターンが、
静かに語りかけてきます。
「タージ・マハルの美しさの秘密は何?」と聞かれたら、
私は迷わず「完璧な幾何学と、それを貫く愛の精神」と答えるでしょう。
モスクの中に広がる「目に見えない秩序」
多くのイスラム教のモスク(礼拝所)も、幾何学模様で装飾されています。
タイル一枚一枚に施された模様が、
壁一面に広がることでまるで無限の世界が広がっていくような錯覚を覚えます。
これはまさに、「無限なる神の象徴」でもあるのです。
そして驚くべきことに、こうした模様はコンパスと定規だけで描かれていたと言われています。
円と直線、そこに潜む数理的な美。
それが、心の深いところに静かに響いてくるから不思議です。
あなたは、どんな時に規則性のある模様に心惹かれますか?
幾何学模様とマンダラの共通点?
ここまで読んでいただいたあなたなら、もうお気づきかもしれませんね。
そう、イスラム建築の幾何学模様と、私たちが描いているマンダラ(曼荼羅)には、
とても深いところで共通点があるのです。
どちらも「宇宙」や「神聖」なものを、かたちとして表現する試みであり、
そのために幾何学という秩序のある言語が選ばれたのでしょう。
実際に、ヤントラやマンダラも円や三角形、正方形の重なりで構成されていますね。
そこには人智を超えた力との対話があり、描くことで心が整っていくプロセスがあります。
あなたもぜひ、イスラム建築の模様とマンダラを並べて眺めてみてください。
きっと、新たなインスピレーションが湧いてくることでしょう。
あなたの暮らしにも、幾何学の静けさを
日々の中に「整ったリズム」を取り入れてみるのはいかがでしょうか?
イスラム建築に見られる幾何学模様は、ただの過去の遺産ではなく、
今の私たちにも深く響いてくれるものだと感じます。
たとえば、マンダラアートを描くときに、
イスラムのタイル模様からインスピレーションを受けてみるのも楽しいですよ。
規則と自由、緻密さと遊び心。
そのバランスを探してみる時間は、心にとって贅沢なひとときになるはずです。
あなたはどんな模様に惹かれましたか?
アルハンブラ宮殿の星形模様?
タージ・マハルの花弁模様?
それともモスクのタイルの無限の連なり?
そんな問いかけを自分にしながら、
あなたなりの「幾何学の美しさ」を見つけてみてくださいね。
ステキなイスラミックマンダラ・ライフを~
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