ナマスカール🙏
点描・砂絵人の鈴木伸明です。
今回は、たびたびご質問いただくテーマについて、じっくりとお話していきたいと思います。
それは…
「イスラム幾何学の基本パターンとその描き方」についてです。
あなたも、どこかで見かけたことがあるのではないでしょうか?
美しく連なる星形や八角形のタイル模様。
モスクの壁や天井に広がる神秘的な装飾。
あれはすべて、緻密に計算され、感性と信仰が融合したアートなんですね。
実は私も最初は「難しそう」と思っていました。
でも一つひとつの形の意味や成り立ちを知っていくうちに、
「なるほど…!」と目からウロコが落ちる体験の連続。
そんななるほどをあなたにもお届けできたら嬉しいです。
Contents
イスラム幾何学とは?
イスラム美術の特徴的な表現方法の一つが「幾何学模様」です。
これは偶像崇拝を避けるというイスラム教の教義から発展した視覚芸術で、
繰り返し・対称・調和を大切にしています。
私たちがよく目にするアラベスク(植物の蔓模様)もそうですが、
幾何学模様はその中でも特に精神性を高く感じるモチーフだと思っています。
心を落ち着けるための瞑想的なツールとしても用いられ、
「ヤントラ」や「マンダラ」とも共鳴するものがあるんですよ。
基本の3パターンとその描き方
① 六角形(ヘキサゴン)とその発展形
六角形は自然界にもよく見られる調和の象徴ですね。
蜂の巣、雪の結晶…。
この形は、360°÷6=60°という割り切れの良さから、
幾何学の出発点としてもとても使いやすいです。
描き方としては、
1. コンパスで円を描きます。
2. 同じ半径で、円周上に点を6つ打っていきます(中心と円周を交互に移動させながら)。
3. その点を結ぶと、六角形が浮かび上がります。
ここに斜線や三角を組み合わせると、
スター・オブ・デイヴィッド(六芒星)のようなパターンに広がっていきますよ。
あなたも試してみたくなりましたか?
私はこれを描いている時、
なんだかハチミツの甘い香りがしてくるような気持ちになります(笑)
② 八角形(オクタゴン)とバランス
八角形は、東洋でも「八卦」として馴染み深いですよね。
イスラム幾何学でもよく用いられ、均衡と再生のシンボルとされています。
描き方は少し手順が増えますが、きちんとガイドラインを取れば大丈夫です。
1. 正方形を描きます。
2. 対角線を引き、その交点を中心とします。
3. 四辺の中央にも印をつけて、さらに細かく点を配置していきます。
4. これらの点をつなげることで、八角形が現れます。
この八角形の中心にさらに星形を加えていくと、
まるでモスクの天井装飾のような美しい模様が完成します。
ちなみに、私の作品の中でも「八角の花びら」をモチーフにしたシリーズがあります。
中心から放射するように描くことで、まるで花火のような広がりを感じられますよ。
③ 星形(スター・パターン)の魅力
イスラム幾何学といえば、この星形。
五角、八角、十角、十二角、十六角…と、さまざまなバリエーションがあります。
特に人気なのが、十重星(10-pointed star)や八重星(8-pointed star)です。
たとえば八重星の場合は、
1. 八角形をベースに、
2. その角と辺の間にさらに点を追加していき、
3. 各点を交互につなげていくことで、鋭角な星が現れます。
この星の繰り返しが織りなすパターンは、まるで宇宙の秩序を写し取ったかのよう。
見ているだけで、なんだか心が整っていくのを感じるんですよね。
あなたはどんな星形がお好きですか?
五角形ベースのものは少し柔らかく、十六角形になると精緻で神秘的な印象になります。
「描く」ことは「祈る」こと
イスラム幾何学において、これらの模様は単なる装飾ではなく、
精神を高めるための手段としての意味があります。
描いているとき、自然と呼吸が整い、心が静かになる…
これはマンダラを描くときにも通じますね。
私も時折、描いているうちに時間を忘れ、気がつけば夕暮れになっている…
なんてことがよくあります。
描くことは、ただの作業ではありません。
あなたの心と向き合う、大切なひとときなのです。
まとめ:あなたも試してみませんか?
「難しそう」と思っていた方も、コンパスと定規さえあれば、誰でも始められます。
最初は簡単な六角形から、徐々に星形へと発展させていけばOKです。
線の強弱をつけたり、色を加えたりすれば、さらにあなたらしい表現もできますね。
あなたの手で、世界にひとつだけのイスラム幾何学模様を描いてみませんか?
瞑想とアートの世界が、やさしくあなたを包んでくれますよ。
ステキなイスラミックアート・ライフを~
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